法律相談事例
消費者問題に関する相談
【インターネット上での誹謗中傷】
- インターネット(SNS)上に匿名で私の個人名が晒されて誹謗中傷を受けました。どのように対策をすればよいでしょうか。
- 1投稿記事の削除
投稿自体の削除を求める場合、①コンテンツプロバイダー(SNS等のサイト運営者)に対する削除請求、②裁判所に対して削除するよう請求(仮処分)をすることができます。
コンテンツプロバイダーに対する請求は、投稿者に削除理由が明らかにされないという意味でいわゆる「炎上」のおそれは少ないというメリットがある反面、いつ削除されるかどうか、また、そもそも削除に応じるかどうかわからないというデメリットもあります。
裁判所に対する削除請求(削除仮処分)は、請求が認められれば確実に削除がされ、また、それが裁判所の判断によるため、「炎上」のリスクは下がるという意味でメリットである反面、担保金(概ね20〜30万円)の負担があります(なお、こちらについては、請求が認められれば全額返還されます)。2発信者情報開示
後の民事上の請求ないし刑事告訴等の手段を採るには、匿名の発信者の情報(氏名、住所等)を調査するため、発信者情報開示請求を行います。具体的には、コンテンツプロバイダーに対するIPアドレス(ネットワークに接続時にパソコン等に割り振られる番号のことをいいます)の開示とアクセスプロバイダー(インターネットサービスを提供する者のことをいいます。)に対する契約者の氏名、住所の開示をするよう申立てをします(発信者情報開示仮処分)。これが認められると、投稿者の氏名、住所が分かります。
なお、IPアドレスの保管期間は3か月程度であることが多いため、早急な対応が求められます。3刑事告訴
投稿内容にもよりますが、投稿により自らの社会的評価が害されるようなものである場合(内容が真実かどうかは問いません)には、名誉毀損罪が成立するため、投稿者に対する刑事告訴をすることができます。4損害賠償請求
名誉毀損、プライバシー権が害された場合、投稿者に対して民事上の損害賠償請求をすることができます。SNS上の問題はログの保管期間が短いことからも迅速な対応が求められます。お早めにご相談下さい。
【インターネットショッピングのクーリングオフ】
- 1週間前にインターネットショッピングで購入したがハンドバッグが思っていたものとは異なりました(5日前に商品が届きました)。この場合、いわゆるクーリングオフをすることができますか。のですか。
- クーリングオフとは、一定の期間であれば無条件で契約の申込みの撤回したり、契約の解除ができる制度のことをいいます。特定商取引法上、クーリングオフの対象となるものは、訪問販売、電話勧誘販売等が対象になりますが、インターネットショッピングはこれらに該当しないため、クーリングオフを適用することはできません。
【インターネットショッピングの返品】
- では、返品はできないのでしょうか。
- 商品の引渡し後、8日経過前であれば、そのインターネット販売の売買契約を解除することができます。もっとも、返品ができないことについて、見やすい箇所に記載がある場合には解除をすることができないので、注意が必要です。この点について、クーリングオフとはその制限ができないという点で異なります。
今回の売買契約については、「返品不可」等の表示が見やすい箇所にあるかどうかということにもよりますが、見やすい箇所への表示がなければ解除が可能ということになります。
なお。返品費用(発送費用等)については購入者が負担することになります。
【インターネットショッピングの取消・解除】
- 仮に8日を経過していた場合には返品はできないのでしょうか。
- 思っていたものと違うという程度にもよりますが、例えば、ハンドバッグが防水加工であることを明記しているにもかかわらず、それが全くなされていないような場合、消費者契約法に基づき取消権を行使することができます。
色等が多少異なる場合(特にパソコン表示では撮影場所時間等により色彩が実際のものと異なることがあります)は難しいですが、全く異なる色(白であるのに実物は黒)である場合には、債務不履行として、契約の解除をすることができます。
【誤ってクリックしてしまった場合】
- 仮に誤ってクリックしてしまったような場合には、取り消すことができるのですか
- 電子商取引においては、消費者に対し、確認画面等を設けることを要求しています。ホームページ上に確認画面(この内容で間違いないですか等の確認画面)まで進み、間違えてクリックしてしまった場合(通常そこまではならないでしょう)には、取り消すことはできません(電子消費者契約法3条)。もっとも、確認画面すらないようなものである場合には無効を主張することができるでしょう。
【消費者問題全般】
消費者問題においても、時間の経過とともに主張ができなくなるものもあります。また、法律上の主張にも様々なものがあります。どのようなケースにあたるのかわからない、
あるいはどのようにすればよいのかわからない場合には早急にご相談ください。